映画デートのススメ>参考例16

お次は、ミニシアター系でちょっとマニアックではありますが、
オフ・ブロードウェイで上演され、2年半のロングランを記録した
大ヒットロックミュージカルの映画化作品、2002年公開の
『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』です。
マドンナが惚れ込んでその楽曲の権利を手に入れようとしたり、
デヴィッド・ボウイらセレブにも大絶賛されたことで注目された
パワフルでいて切ない、感動のヒューマンドラマです。

全米各地を旅して巡る売れないロック・シンガー、ヘドウィグは
東西冷戦時代の東ドイツで男の子ハンセルとして生まれたものの、
憧れの国アメリカに渡る際、米兵との結婚のため性転換を決意。
しかし、手術のミスで股間には“怒りの1インチ
（アングリー・インチ）”が残ってしまい、米兵とも結局。

それでも夢を思い出しロックバンドを結成したヘドウィグは、
ある日、17歳の少年トミーと出会い、同じ夢を持つ彼を
誰よりも愛しロックのすべてを注ぎ込んでいくが…。
ケバいドラァグクイーンの色モノ映画と敬遠されがちですが、
必ずや観る者の心を鷲掴みにするほどのエネルギーがあります！

音楽映画でもあり、曲も歌詞も熱く、カッコ良く、切ない。
「愛の起源」という、プラトンの「饗宴」をヒントに作られた
テーマ曲は「愛って自分の“片割れ”を探すこと」と歌われ
ロックファンでなくとも必聴の一曲。サントラもおすすめ！
日本では三上博史主演で公演されてもいるのです。

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ
（2001／日本公開2002）アメリカ
監督・脚本・主演／ジョン・キャメロン・ミッチェル